情熱祭り

今年も「祭り」で日本各地の魅力を伝える!CLAIRシドニー事務所の上坊所長と山田次長へインタビュー!

今年も「祭り」で日本各地の魅力を伝える!CLAIRシドニー事務所の上坊所長と山田次長へインタビュー!

聞き手:Yuyu Koizumi, Sasha Rajak
文章:Yuyu Koizumi

今回は、CLAIR(自治体国際化協会)シドニー事務所の上坊所長と山田次長へのインタビューをお届けします。日本とオーストラリアの間で人の行き来が今まで以上に活発化してきている近年において、CLAIRは日本各地の魅力を訪日観光客に伝えるという非常に大きな役割を果たしている組織です。今回のインタビューではCLAIRの活動から「祭り」に対する想いまで、様々なお話を聞かせていただきました。

― CLAIRの活動内容を教えて下さい

上坊所長(以下、上坊):CLAIRは日本の自治体の海外での活動を支援するための組織です。日本から訪問団が来た際のお手伝いや、日本の地方自治体の観光促進や地域のPRを担う仕事をしています。

― ホームページを拝見しましたが、幅広い活動をされているという印象を受けました

上坊:CLAIRの活動が幅広いということは日本の自治体が幅広いことをされているということですね。観光促進のPRをしてその地域に来てもらおうというのも自治体の仕事ですし、両国の自治体や姉妹都市同士の交流であったり、学生同士の交流ということで日本の夏休みに日本の中学生や高校生がオーストラリアに来たり、逆にオーストラリアの学生が日本に行くということもあります。このように日本の自治体が幅広く仕事をしているので、そのお手伝いをしています。

― 特に力をいれている活動はおありですか

上坊:ここ最近の課題としては大規模スポーツイベントにおける自治体の活動を支援するというのが大きくあります。この先日本で大規模なスポーツイベントが立て続けに行われます。2019年にはラグビーのワールドカップが日本の各地で行われ、翌年の2020年には東京オリンピック・パラリンピック、2021年にはワールドマスターズゲームという生涯スポーツの大会が関西地区で行われることになっています。それらに向けて多くの方が選手として来ていただいたり、また大会前のキャンプ地として訪れるようになりますので、自治体でもそれをきっかけに国際交流であったり、スポーツ交流を活発に進めたいと考えています。

― これから数年はスポーツが国際交流の軸になっていくのですね

上坊:そうですね。新しいトピックとして、スポーツの交流だけではなく、それをきっかけに両国の交流や人の行き来が増えればいいなと思っています。

― CLAIRの活動で一番やりがいのあることはなんですか。

上坊:印象に残っているのは学生の方との交流ですね。初めての外国で同じ年代の方との交流ということで目を輝かせている姿が印象的でした。若いうちに海外との交流を持った方は国際的な仕事に就くということも多いので、たった数日間でもその学生さんの人生の出発点になるようなことに関われているんだなと思います。もう一つは今回の祭りフェスティバルでもやるような観光PRをした時のオーストラリアの人たちの反応ですね。反応が非常に良いんです。日本に行ってみたいから事前に日本のことを知りたいという人もいれば、2、3回行っているので今まで行ったことのないところを紹介してほしいという人もいる。全体的にオーストラリアの人が日本に好意をもっているということや、この人たちの関心が観光PRを通じて分かるのは非常に面白いですね。

― 昨年も「祭り」に参加してくださいましたが、今年はどのようなPRをされますか?

上坊:CLAIRは全国の自治体の共同の海外事務所として置かれていますので、全国の地域のPRをします。全国から英語のパンフレットを集めて各地の紹介ができるように準備していますし、「祭り」はオーストラリアで最大の日本関係のイベントですから、日本各地の魅力を伝えたいと思います。昨年に引き続き、CLAIR自身で直接PRするのに加え、自治体にブースの一部をお貸ししてそれぞれの自治体のPRをしてもらいます。昨年は3団体だったものを今年は5団体に増やし、間口も増やしてPRします。そうすることでよりいろいろな地域の魅力をオーストラリアの方たちに知ってもらおうというのが今回の新たな試みです。

― 昨年出展された中で、具体的に人気の場所やアクティビティなどはありましたか?

上坊:やはり観光の中でオーストラリアの方が好まれるのは体験型ですね。体を動かしたり、実際にやったりしてみるというようなものに非常に関心が高いです。例えばしまなみ海道という広島と愛媛を結ぶ橋を自転車で走ることに関心が高かったり、人気のスキーも普通のスキーではなく、ヘリスキーというガイドさんに連れていってもらって本当の山の中でスキーをするというものが人気だったり、体を動かすアドベンチャー的なものが特に人気があるのかなという感じがします。滞在も長くされるので、一度来たからにはその地域の隅々まで堪能しよう、見るだけではなく体験してみようというところがあります。また、いかにもな観光地以外にも行こうとされるところがあって、東京や京都だけではなく地方都市にも行ってみようとするところは、オーストラリアの観光客の方の面白いところであり、特徴だと思います。

― 滞在日数が長い分、生活に入り込むような観光スタイルなんでしょうか

上坊:そうですね。CLAIRの場合は職員も各地の自治体から派遣されていますので、職員がそれぞれの地域の魅力を自分自身の言葉で伝えることができます。

― 「祭り」がどのように多文化共生や国際交流に貢献できるとお考えですか?

上坊:「祭り」の場合は日本に関心を持っている方が来られるので、その場でしっかりと日本をPRすることができます。日本だけでなく様々な国のフェスティバルがシドニーで開催されていて、そういうイベントを通してお互いの国のことを知ることができるので、その一つとしてこの祭りフェスティバルで日本をPRすることは重要だと思います。

山田次長(以下、山田):多文化を理解するために一番良い方法として、食べ物や祭りなどの楽しい側面から交流していくと理解しやすいんだなという印象を受けます。先週もメルボルンで多文化主義政策スタディーツアーというものをCLAIRが行いまして、そこで Taste of Harmony というイベントについて学習したのですが、メルボルンにいるエスニックの方々が自分の国の食べ物を持ち寄って現地の方々と交流する、いろいろな国の方々も心がほぐれて、自分たちの国を紹介しながら現地の方と触れ合えるということで、異文化理解が進むとてもいいイベントだなと思いました。お祭りとか食べ物は異文化理解には良いツールなのかなと思います。

― 「祭り」にはどのようなイメージをお持ちですか?

山田:子どもが楽しく遊んでいるっていう…、普段着ない浴衣を祭りの時には着せて、風船釣りをして、友達と綿菓子を嬉しそうに食べて…というのが印象的です。のぼりがあって櫓があって皆で盆踊りをして、延々と倒れるくらいまで娘は踊り続けて…(笑)。祭りというと本当に特別な日で、子どもたちが楽しく遊べる日というイメージですね。

― どういう祭りならお子様のためでなく大人自ら行きたいと思われるでしょうか

山田:名古屋ですと大人の方が集まるのはやはりビール。オクトーバーフェストとかを街の中心でやるんですが、毎回すごく人が集まります。シドニーだとサーキュラーキーでチョコレートフェスティバルをやっていたと思うんですが、あれも沢山大人の方がいらっしゃっていて、「あ、これは面白い。これが日本にもあったらいいのに」と思いました。やっぱり食べ物じゃないですかね、大人は(笑)。

最後に

今回は、CLAIR(自治体国際化協会)シドニー事務所の上坊所長と山田次長へのインタビューをお届けしました。元々知名度の高い都市だけではなく、日本の様々な地域をPRしようと努められているCLAIRの活動についてお話を伺ったことで、私たちも「オーストラリアの方たちにもっと色々な日本を知って欲しい!」という思いが強くなりました。「祭り」本番まで残りあとわずか、私たちボランティアメンバーもより一層盛り上げていきたいと思います!

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編集チーム

編集チーム

出身地:オーストラリア
【Q: 今何をしてるのか?】A: 祭りのPRを行なっています!【Q: 私にとっての祭りとは?】A: 私たちにとって祭りは日本を好きな人たちが集まる場所。祭りを通して日本をより知ってもらえたら嬉しいです!

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