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日本文化を海外へ発信し続けるThe Japan Foundation シドニー日本文化センターの和田好宏所長へインタビュー!

日本文化を海外へ発信し続けるThe Japan Foundation シドニー日本文化センターの和田好宏所長へインタビュー!

皆さん、「日本を象徴するもの」といえば何を想像しますか?近年では、海外のあらゆる国で日本の文化や歴史に興味を持つ外国人の方々を見かけます。一方で、日本でも海外発祥のイベントやお店などを発見することができます。「世界一美味しい朝食」で有名なオーストラリア発祥のお店 ”Bills”も日本で大流行しましたね!The Japan Foundation(国際交流基金)は、海外と日本の文化交流や、海外における日本語教育、日本研究・知的交流を活動分野としている専門機関です。今回は、The Japan Foundation, Sydney シドニー日本文化センターの和田好宏所長にインタビューさせていただきました!

聞き手:Mei Hayasaka, Edrian Gomez
カメラマン:Yoko Fukai

interviewer-mei-edrianJapan Foundationの活動内容を詳しく教えてください。

 

jf-face-01Japan Foundationでは、文化芸術交流、日本語教育、日本研究・知的交流の3つの柱をもって活動しています。活動は幅広く、文化芸術交流の面では日本文化を伝えるだけではなく、海外の文化への理解を深め、新たな文化を生み出すきっかけ作りをしています。また教育面では、日本語を学ぶ外国人生徒だけが対象ではなく、日本語教師の育成や最新の日本語教授法、教材の提供なども行っています。日本研究・知的交流では、日本と同じ課題を抱えた他国との協力による課題解決を目指しています。

interviewer-mei-edrian「海外における日本語教育」の活動の中に、日本語の能力を測る日本語能力試験(JLPT)の支援がありますが、その試験のコツをこっそりと教えてください!

 

jf-face-01努力あるのみです、頑張ってください(笑)この日本語能力試験は、日本で起こり得る「課題遂行」を考えて作られています。課題というのは、例えば日常の買い物、髪を切ってもらう、役所に書類を提出する場合などの例が挙げられます。問題は読解聴解が万遍なく作成されているので、偏りなく勉強することが大切です。

試験を受けて高得点を取ることも一つのゴールかもしれませんが、試験は自分をよく知るために受けるものです。得意不得意を知るきっかけにもなるので、結果にこだわりすぎずベストを尽くしてほしいです。

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interviewer-mei-edrian文化を正しく伝えるための工夫を教えてください

 

jf-face-01まずは自分の文化をよく知ることです。それと合わせて他方の文化をきちんと学び理解することが大切です。日本では受け入れられることも他国に行くとNGであったり、こちら側が知りたいことや伝えたいことが、他方にとってはそうではなくて相手を傷つけてしまう可能性もあります。丁寧に丁寧に、誠実な心をもって接することが重要なのではないでしょうか。

interviewer-mei-edrianシドニーに来られて、カルチャーショックや文化を伝える難しさを感じられましたか?

 

jf-face-01率直に、こんなにも日本語が街に溢れている!と嬉しくなりました。日本語を話す海外の人々が多いということは、日本文化に興味を持ってくれているという現れにも感じます。

そして、「胃袋を掴む街」とも思いました。食べ物が本当に美味しいです。オーストラリアは世界各国の人々が集まる国なので、それらの国の料理が手軽に手に入ります。日本に帰ったら物足りなく感じそうです(笑)。

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interviewer-mei-edrianオーストラリア人に人気の日本文化を教えてください!

 

jf-face-01日本のアニメ、漫画は今の海外の若者に大人気だということは事実ですが、人によってそれぞれ興味のある日本文化は異なるように思います。ある海外の方からの問い合わせで、組み紐の教室はあるか、日本庭園を家に作りたいのだが庭師を紹介してくれないかと聞かれたときは驚きました(笑)。

interviewer-mei-edrianオーストラリア文化の中で、日本に取り入れたほうがよいと思う例はありますか?

 

jf-face-01オーストラリアで生活していると、「人生の楽しみ方」を日々学んでいると感じます。オーストラリアの人々は、ワークライフバランスをとても重要視しています。仕事とプライベートの切り替えをきちんと行い、仕事も家族も自分の時間も大切にする文化は魅力的です。一生懸命働いて一生懸命遊ぶ!まさに理想の生活ですね。

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interviewer-mei-edrian日本映画祭は世界最大の文化交流イベントだと伺っていますが、「祭り」がさらに大きなイベントになるためのアドバイスをお願いします!

 

jf-face-01Japan Foundationでは、文化交流の活動の一環で日本映画を海外に発信しています。今年で映画祭は20回目を迎えます。やはり、イベントを継続することの大切さを深く感じます。上手くいかなかったこともあるし、失敗は避けて通れません。しかし、良い時も悪い時も一緒にイベントを作り上げる仲間がいます。イベントの回数を重ねるにつれ、仲間との相互理解も深まり、意見交換を通して絆が強くなります。そしてより良いイベントが出来上がっていくのです。

そして重要なことは、「日本らしさ」を失わないことです。「祭り」でいえば、お祭りっぽい屋台や盆踊りの空間を作ったからといってそれだけでは本物の祭りにはなりません。日本の「祭り」にはきちんと文化的な背景があって、どんな想いで「祭り」というイベントを始めたのかを、来てくれた人々に伝えることが大切です。

「日本らしさ」といった目に見えないものを伝えるのはとても難しいですが、イベントを継続していくことによって、仲間との団結が生まれ、その輪がどんどん広がります。そしていつしか、日本生まれの、でもシドニーの祭りだ!と、日本人とオーストラリア人が思えるイベントになればいいですね。

interviewer-mei-edrian過去の祭りでの取り組み、そして今年の取り組みに対する意気込みを!

 

jf-face-01今年の取り組みはまだ秘密です(笑)過去には、来場者が一緒に楽しめるような参加型のブースを出していました。今年も過去同様に、ただものを見せるだけではなく双方が一緒に楽しめる、祭りへの「想い」を伝えられるようなものにしたいです。

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今回はThe Japan Foundation(国際交流基金)シドニー日本文化センターの和田所長にお話しを伺いました。将来日本の文化に興味を持ってくれる人々がもっと増えたら、日本でもさらに海外の人と接する機会ができるでしょう。その時は、自分の聞きたいことや話したいことを伝える前に、相手の文化をちゃんと理解したうえで「思いやり」をもって接することができれば、お互い居心地の良い関係が作れるのではないでしょうか。貴重なお話しが聞けました!次回もお見逃しなく!

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Mei Hayasaka

Mei Hayasaka

出身地:千葉県
【Q: 今何をしているか?】A: 2016年5月末からワーホリビザで在豪中!語学学校を終えたら、未知なるファームジョブに挑戦予定!実りあるワーホリにすべく、ボランティア、インターンなどに、積極的にチャレンジしようと思っています! 【Q: 私にとって祭りとは?】A: 活気に満ちたパワーをもらえる場所!日本人でよかったなと心から感じれる空間!

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